AI時代の英語教育 「4技能」の定義変えよう 立命館大学 木村修平 教授

これまで「書く」「聞く」「話す」「読む」という4つの技能に分類されてきた言語能力の考え方を、大学では根本的に改めるべきではないだろうか。立命館大学 木村修平 教授は語る。
我々の新しい4技能とでも呼ぶべき能力観に高い可能性を見いだしている。

 それは①プロジェクトに必要な情報を調べる(リサーチ)②調べた情報をまとめる(オーサリング)③まとめたものについて教員やクラスメートと意見を交わす(コラボレーション)④プロジェクトの成果を英語で発信する(アウトプット)――の4つだ。この4技能は英語に限らずあらゆる学術分野に共通の科学的リテラシー(活用能力)であり、いずれも現代ではICT抜きには語れない。

「調べる」「まとめる」「コラボ」「発信」

まさに、AI時代に求められる仕事のスキルそのものであると感じた。大学の英語教育の現場で起こっている変化は、大学にとどまらない。
その学生さんたちが社会人となるタイミングで、我々オジサン世代が新入社員に業務を指導する。そのときその問題が丸かぶりとなる。従来必要とされていた「書く」「聞く」「話す」「読む」なんていうのは、AIがほぼ完璧にできてしまう。新入社員が入社してくるその時、手元にスマホがあれば、それらはデフォルトでできてしまうのである。
先ずは、今の社員全員が、実際の業務でAIを使いこなすことが喫緊の課題である。今のままでは、逆に新入社員から技術指導されるようになってしまうのではなかろうか。

2023年11月7日 日経新聞より抜粋
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